「軽作業バイトって、自分にもできるのかな」「実際の現場ってどんな感じ?」
そんな疑問を持ちながら、なかなか一歩を踏み出せない人は多いはずです。

副業や収入安定化を目的に派遣を始めたヒロ・ちーらん・ケーちゃんの3人が、軽作業現場の”リアル”を包み隠さず語り合いました。きれいごとなし、経験者だからこそ言える本音の座談会です。

【今回のメンバー】


ヒロ(進行):

自営業。最近の「スキマバイト」ブームによる情報と現場のギャップを危惧し、当サイトを発案する。


ちーらん:

フリーランスのライター・企画。本業の浮き沈みを補うため、倉庫の世界へ。体力的な限界と向き合いつつ、現場を楽しんでいる。


ケーちゃん:

元アパレル勤務。コロナ禍での減収をきっかけに副業を開始。「会社に内緒」で始め、今や派遣会社8社を使い分けるベテラン。

「手軽に稼げる」の裏側にある、情報の空白を埋めたい

ヒロ: 最近、倉庫に行くと本当に若い人や、普通の会社員風の方、女性が増えたなと実感します。でも、大手求人メディアが「スキマ時間にパッと稼げる!」と少しキラキラした文脈で集客しすぎている気がするんです。そのせいで、現場に来てから「え、こんなにきついの?」「全然聞いてない」と戸惑う新人を毎日見ていて、なんとかしたいなと思ったのがこのサイトの原点です。

ちーらん: 分かります。ネットで調べても、出てくるのは派遣会社の「良いことばかり書いた求人記事」か、匿名掲示板の「ひどい愚痴」の両極端。実際に今働いている私たちが、中立な立場で「本当のところ」を伝える場がないんですよね。

ケーちゃん派遣会社のサイトだと、自社の案件に誘導したいから、デメリットは書きにくいですしね。僕らみたいな現役スタッフが「あそこのリーダーは神だけど、あそこのルールは鬼だよ」なんてリアルな情報を出すことで、初めての人が少しでも安心して現場に入れるようになれば最高ですよね。

副業で月20万超え。奥さんに内緒で買った「ご褒美」

ヒロ: ケーちゃんは、そもそもどういう経緯でこの世界に?

ケーちゃん僕は長年アパレルにいたんですが、コロナで生活が一変しました。残業代がバッサリなくなって、大幅な減収。それをどうにかしたくて、最初は会社に内緒のダブルワークで始めました。

ちーらん会社に内緒で……っていうのは、副業層には一番多いパターンかもしれませんね。

ケーちゃん: 最初に選んだのはS急便の夜勤でした。土曜の夜に入って日曜に寝ていれば、本業に響かないだろうと。ところが、やってみたら案外体力が持ったんです。「これ、もっといけるな」と欲が出て(笑)。

ちーらんそこからシフトを増やしたんですか?

ケーちゃんはい。金・土・日の3連夜勤を試してみたら、なんと副業だけで月収が20万円を超えたんですよ。それで、ずっと欲しかった時計を奥さんに内緒で買っちゃいました(笑)。ただ、月曜の朝、本業のデスクに座った瞬間は、さすがに猛烈な眠気との戦いでしたけど。

ヒロ: 20万は夢がありますね!派遣会社を8社も登録しているのは、やっぱり仕事を選べるようにするためですか?

ケーちゃん そうです。時期によって時給も違うし、現場の雰囲気も違います。Y運輸でクール便をやって夏を涼しく過ごしたり、Yパンで1日中ケーキにイチゴを載せ続けたり。いろんな現場を渡り歩くことで、「自分に合う現場」を見極めるスキルがつきましたね。

「全然違うことをやってみたい」と派遣へ

ケーちゃんヒロさんも畑違いの本業をお持ちだそうですが、どういうきっかけでこの世界に?

ヒロ: 長年続けているIT系の仕事がつくづく嫌になって、精神的に苦しい時期があったんですが、たまたま同い年の友人が、コロナの時に生活費を稼ぐために倉庫の夜勤を始めたんです。「肉体労働なんてできないと思ってたけど、やってみたら案外できた」と言っていたので。じゃあ自分もやってようと、地元の派遣会社に飛び込みました。

ちーらん 初日はどうでしたか?

ケーちゃん最初の現場に向かうワゴン車の中で、「みなとみらい」の夜景を横目に「どこに連れて行かれるんだろう」と不安になりました。なぜか「ドナドナ ドーナ ドーナー 子牛を乗せて♪♪」のフレーズが浮かんできたのを今でも覚えています(笑)。でも実際に働いてみたら、難しいことを考えなくていいのが新鮮で楽しくて、すっかりハマってしまいました。

大手通販会社での衝撃。「水」の重さに打ちのめされた初日

ヒロ: 平野さんは、対照的に「死ぬかと思った」現場が最初だったとか。

ちーらん: そうなんです。私はフリーランスの仕事の波を埋めるために、安定した「固定給」が欲しくて登録したんですが、最初のAゾンの現場は強烈でした。ひたすら重い水のペットボトルをカートに積んで運ぶ作業だったんですが……。

ケーちゃん: 飲料系は腰に来ますよね。

ちーらん: そうなんです。しかも運送会社によってルールが違うなんて知らないから、Aゾンのやり方で上まで積み上げて「重い、重い!」って泣きそうになって。後でY運輸に行ったら「飲料は5段まで」って決まっていて、会社のポリシーでこんなに違うんだ!と驚きました。

ヒロ: 初心者の頃って、道具の使い方のコツも誰も教えてくれないですよね。

ちーらん: まさに!私、台車のストッパーをかけたまま一生懸命引っ張って、「なんでこんなに重いの!?」って絶望してました(笑)。ベテランさんからすれば「何やってるんだ」って話でしょうけど、新人はそんなことすら分からない。でも、現場のリーダーたちは「どうせ1日で辞めるだろう」と思って、あえて深く教えないという冷ややかな空気もありました。

「神リーダー」と「最新ロボット」が変える現場の空気

ヒロ: でも、最近はそんな「教えない文化」も変わりつつありますよね。

ケーちゃん: ある現場でのことですけど、、リーダーが「初めてで不安だよね。さっき教えたことでも何回でも聞いていいから。間違えてやり直すより、聞いてもらうほうが助かるんだよ」と言ってくれて。あの言葉だけで、その日のパフォーマンスが劇的に変わりました。

ヒロ: そのリーダー、まさに「神」ですね。それと最近は、ハイテク化で肉体労働のイメージも変わってきています。

ケーちゃん: Zタウンの倉庫とか、すごいでしょ?プロレスのリング2個分くらいのエリアを、自動走行のロボットが何十台も走り回っている。僕らが商品を載せるだけで、ロボットが最適なルートを計算して運んでいくんです。

ちーらん: まるでSFの世界ですね。

ケーちゃん: そう。センサーがついているから、あれだけ高速で走り回っても絶対ぶつからない。そういう「最新設備を見る楽しさ」も、今の倉庫バイトの醍醐味の一つかもしれません。

多国籍な仲間たちと「言葉を超えた」チームワーク

ちーらん: 私が一番面白いと感じるのは、現場の「国際交流」です。A社はベトナム系、B社はフィリピン系、C社はネパール系……みたいに、会社ごとにコミュニティがあるんですよね。

ヒロ: 確かに。日本人スタッフが自分一人だけ、というチームになることもあります。

ちーらん: 最初は戸惑いましたけど、言葉が通じなくても、重い荷物を一緒に持ち上げたり、目配せで作業を分担したり。文化の違いでたまに喧嘩も起きてますけど(笑)、そういう「混ざり合っている感じ」は、普通のオフィスワークでは絶対に味わえない活気があります。

あなたらしい「倉庫ライフ」を見つけてほしい

ヒロ: 結局、倉庫の仕事って「きつい」「単純」という一言では片付けられない魅力があるんですよね。副業でガッツリ稼ぎたい斉藤さん、生活の安定を求める平野さん、そして違う仕事で心身のバランスを保ちたい僕。

ちーらん: 大事なのは、ネットの極端な情報に振り回されず、まずは自分に合いそうな「入り口」を見つけることですね。

ケーちゃん: このサイトでは、私たちが失敗して学んだ「痛くない靴の選び方」とか「当たり現場の見分け方」とか、もっと具体的なノウハウもどんどん出していきましょう。

ヒロ: そうですね。第2回は、皆が一番気になる「仕事の内容」について深掘りしてみたいと思います。